株式会社 四万十ドラマ

地域のあしもとにあるものを「みつける。」

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みつける。

もともと地にあるもの

四万十に生まれ育った私たちにとって、昔からもともと地にあるものは、そこにあってあたりまえ。だから、お茶も栗も原木しいたけも、地域の人の目にはそれほど価値あるものに見えてはいませんでした。でも、発想や視点を変えてみるだけで、素材そのものだけでなく、四万十川を見下ろすように急斜面に広がる茶畑や栗園の風景までもが、地域のタカラに生まれ変わる。がぜん、光りが射してくる。その驚きや喜びを生産者さんたちと分かち合いながら、四万十ドラマの商品は生まれて来ました。自分たちのあしもとを見つめ直し、自分たちのココロザシを持ち、地域の独自性を守ること。それが私たちの考え方の素であり、いつしか、四万十ドラマの生き方にもなっています。四万十川と暮らしが近く、川と人のやりとりがあるからこう考えられる。この四万十の山や川をベースにしながら、地域の独自性が産業になればいいなと思っています。

モノもコトもヒトも未来も「そだてる。」

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そだてる。

「中山間で何ができるが?」「できるがよ」

四万十ドラマは、商品を育てるとともに生産者さんの意識を育てることにも同時に取り組んできました。そうしなければ、次を担ってくれる若い人たちが地域に残っていかないと感じているからです。それがまた、あしもとにある資源を育て、四万十の風景を守り、新しい地域資源としてつなげていくことにもなります。たとえば、四万十栗の商品づくりを進めていくなかで、私たちは栗農家の高齢化、後継者不足といった問題にも直面しています。そこで栗と栗林のある風景を守ろうと農業法人を立ち上げ、栗の木再生プロジェクトに取り組んでいます。生産現場を守り育てる「しまんと新一次産業(近日公開)」へ。自然と人と考え方が循環する新しい農の取り組みとして、これからまた、さまざまな提案を四万十川から発信していくことになります。栗林も茶畑も売れる商品となったからこそ、守れている風景でもある。
四万十ドラマは「中山間で何ができるが?」「できるがよ」ということばかりやってきました。

「売れん」を「売れる」モノに「つくる。」

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つくる。

あたらしい価値をつくる

四万十ドラマの商品づくりは、流域の自然素材を生かした商品開発が基本。 本物を育てていくことが、四万十ブランドを育てていくことだと思っています。2008年に四万十川流域の茶葉だけを使って作った「しまんと緑茶」も代表的なそのひとつ。四万十茶は苦みや渋みのある力強いお茶で、それまではブレンド用として100%静岡に送られていました。自分たちのお茶を自分たちで売ろうと「まぜられる茶からまぜちゃる茶へ」を合い言葉に生産組合と奮闘し、今や茶葉の50%以上を自家消費する四万十ブランドに成長。紅茶栽培も復活させています。また、四万十の山々から伐り出されてくる間伐材の端材にひのきオイルを染み込ませた「四万十ひのき風呂」は、木を香りと捉えた環境循環型商品として、四万十ドラマの大ヒット商品となりました。今までそこにあったものに新しい考え方で、あたらしい価値をつくっていく。その考え方をデザインした商品は、自分たちの考え方や地域の生き方、目の前の風景を伝えるメッセンジャーになります。

自分たちが見つけたものを「うる。」

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うる。

価値を知るためにまず、素材そのままを売ってみる。

地域で見つけた素材はとりあえず、そのまま売ってみるというのが四万十ドラマの原点。「こんなものが売れるがやろうか」と、いぶかる生産者さんの背中を押して一緒に街へ売りに行き、自分たちが地域のもののよさ、その価値を知ることから、四万十ドラマの商品づくりは始まっていきます。
そこでヒントをつかんで、もう一度、あしもとを見直し、自分たちの考え方を作っていくのです。四万十ドラマが平成19年から10年、指定管理者として運営した道の駅「四万十とおわ」はちょうど、農家のおばちゃんたちが地域で見つけたものをまず売ってみる市場調査の場所になりました。その道の駅は年間15万人、1億5千万円を売り上げるまでになりました。商品が売れれば、私たちの考え方が広がり、地域に人が集まって来てくれる。私たちが商品を持って全国にでかけていったり、オンライショ ップを通じて販売しているのは、実際に四万十に足を運んでもらいたいからです。本当にその商品が四万十に人を連れてきてくれます。

四万十川のほとりで考えたことを「ひろめる。」

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ひろめる。

四万十川のほとりで考えたことを広める

四万十川のほとりから、全国の皆さんに共感してもらえる地域産業を育て ていこうとする時に欠かせないのが、自分たちの考え方を伝える情報の広め方です。四万十川に負担をかけないものづくりを進めていくとともに、四万十ドラマは平成8年、会員ネットワークRIVERをつくりました。四万十川をまんなかに都会の人と地域の人のやり取りを通じて「豊かさとは何か」を一緒に考えていこうというもの。以来、流域の人や暮らし、文化を伝える会員誌の発行や自然の学校を開催するなど、ここにしかない地域のよさを発信し続けています。そのRIVERのコンセプトでもある「川から学べ」という考え方は、「古新聞で四万十川で生まれた商品を包もう」という新聞バッグを生む背景、発想へとつながり、四万十ドラマの考え方を広めるアイデンティティ商品となりました。新聞バッグのつくり方を公表するとともにインストラクター制度を導入。新聞バッグコンクールの開催、さらに被災地を応援する東北新聞バッグプロジェクトへと広がっています。

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川のほとりからネットワークを「つなげる。」

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つなげる。

考え方に共感すると友達になれる。

人と人、人ともの、ものともの。四万十ドラマは、自分たちが行動して地域や人のネットワークをつなげていきたいと思っています。「四万十また旅プロジェクト」では、四万十川全流域の企業と団体が連携して新しい観光産業のしくみを作って、四万十の日常、四万十川の環境につながる旅を提案。また、四万十ドラマと山梨県八ヶ岳の「NPO法人えがおつなげて」が出会って意気投合し、田舎と田舎を結ぶことで新しい価値を生み出していこうと2012年に「よんぱち同盟」を結んでいます。さらに北海道から沖縄まで、全国各地で地域の物産を扱っている仲間が集まって「あしもと逸品プロジェクト」を結成。勉強会を開いたり、チカラのある商品を持っていながら流通を持たない人やお互いに売り先を紹介し合うなど、全国とつながることでビジネスも交流も広がっていきます。考え方に共感すれば友達になれる。四万十ドラマの実感です。